開胸手術においてBroncho-cath® (Mallinchrodt社製)を用いて分離肺換気を行った24例を対象に,Broncho-cath®使用中に経験したトラブルと術中管理について検討した.
術中位置異常など,何らかのトラブルが24例中14例(58%)と高率に起こったが,幸い重大な合併症は起きなかった.トラブルの早期発見には呼吸バッグの感触の他に,パルスオキシメータ,ブロンコファイバースコープが有用であった.また患側肺に純酸素で低圧PEEPをかけるか,または高頻度ジェット換気を行い,ほぼ良好な呼吸状態が得られた.ガス交換は高頻度ジェット換気が勝ると思われたが,純酸素による低圧PEEPも簡単に行えかつ効果のある方法である.