抄録
3種類のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム,フルニトラゼパム,ミダゾラム)とペンタゾシンを用いたいわゆるNLA変法による全身麻酔で手術を受けた123例(初期検討試験53例,本試験70例)を対象に,フルマゼニルのベンゾジアゼピンに対する拮抗作用を検討した.また,患者の覚醒の程度を的確に評価し得る評価基準の作成を試みた.その結果,フルマゼニルは,ベンゾジアゼピンとペンタゾシンを用いたNLA変法麻酔からの覚醒に極めて有用性の高い薬剤であることが確認された.また,本試験で用いた評価基準は,患者の覚醒状態を細かく正確にとらえられ,覚醒状態を調べる上で好ましい基準であると考えられた.