日本臨床麻酔学会誌
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ダブルルーメン気管内チューブの日本人における留置安全域について
吉岡 斉
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1993 年 13 巻 4 号 p. 442-450

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抄録
各種ダブルルーメン気管内チューブ(DLT)の日本人における留置安全域(margin of safety:MS)を計測した.MSは患者と個々のDLTとの組み合わせにより変化し,MSが消失する解剖学的不適合となる組み合わせが存在し,その発生率はDLTの種類,サイズにより異なった.表示サイズが小さいチューブを用いてもMSは大きくなるとはかぎらず,また表示サイズが同じでもチューブ個々のバラツキによりMSは変化した.さらに左用DLTの方が右用DLTよりもMSが消失する率は小さく,可能なかぎり左用を用いるべきことが確認できた.DLT使用時には患者の左右主気管支のほかに,個々のDLTの形状にも注意を向けるべきであると考えられた.
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