要旨新しい呼吸回路,トピースを考案し,モデル肺およびTピース施行中の9例に用い,モデル肺内のガス分析および動脈血ガスをTピース施行中のものと比較検討した.
モデル肺を用いた実験では,Tピースに比しトピースでモデル肺内の酸素濃度は高く,笑気(炭酸ガスの代わり)濃度は低かった.臨床例では,意識障害患者6例すべてで,呼吸状態に変化がみられず,トピースに切り替えることによりPaO2が増加しPaCO2が低下した.
以上よりトピースは,呼吸状態の変化しない条件下でPaO2増加とPaCO2低下が期待でき,人工呼吸器を用いずにPaCO2を低下させたい場合や,呼吸器からのweaningの新しい方法になるものと考えた.