日本臨床麻酔学会誌
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慢性関節リウマチによる頸椎亜脱臼に対する頸椎後方固定術の麻酔管理
伊藤 立志浅原 廣澄三井 弘
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1995 年 15 巻 4 号 p. 292-297

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抄録

慢性関節リウマチ(RA)による頸椎亜脱臼に対する頸椎後方固定術患者60例を対象として,最大の問題点である挿管困難の頻度と,全身性疾患であるRAの患者背景,また術中の麻酔管理にっいてretrospectiveに検討した。挿管困難と判断した症例は35.0%,そのうちファイバースコープを用いて挿管した例は全体の11.7%であった。挿管困難への対策として術前の画像診断(意識下脱臼位でのMRI)による頸椎可動域の把握,診察,問診から挿管困難の程度を予測するが,最終的には麻酔導入時にミダゾラム0.02mg/kg,フェンタニール2μg/kgを基準量として投与し,半意識下で喉頭展開を試み喉頭蓋を直視できるかどうかで急速導入の可否を判断した。

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