日本臨床麻酔学会誌
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喉頭気管食道裂(type 3)の麻酔経験
松山 尚弘広木 公一藤原 孝憲窪田 達也大竹 一栄
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1995 年 15 巻 4 号 p. 315-319

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抄録

喉頭気管食道裂type 3の根治術の麻酔を経験した。この疾患の頻度は,まれではあるが,放置すれば呼吸器合併症を併発し,致死的転帰をたどる。症例は,3,000gの女児で,生後8日に腹部食道結紮術および空腸瘻を造設し,生後30日に一期的根治手術を行なった。麻酔導入後,気管内挿管を行ない,内頸動静脈より膜型人工肺(ECMO)を導入した。ECMO使用により,非換気下に食道気管切開後,術野より特注のY型の気管支用チューブを左右両気管支に挿入し,逆行性に経鼻気管内挿管とした。術後は筋弛緩剤投与下に人工呼吸により呼吸管理を行ない,術中,術後とも経過良好であった。

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