日本臨床麻酔学会誌
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急速輸血時における白血球除去フィルター,RC 400®についての検討
須田 志優川前 金幸田勢 長一郎奥秋 晟
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1995 年 15 巻 5 号 p. 392-397

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抄録

急速輸血対応型のポール社製白血球除去フィルターRC 400®を用いて,条件の異なる濾過流速でのフィルターの精度ならびに問題点について検討した.方法は重力滴下,急速滴下,加圧バッグおよびポンピングによる血液濾過を行ない,濾過前後の白血球数,screen filtration pressure (SFP),遊離Hbを測定した.その結果,いずれの条件でも白血球除去率は4log10以上,残存白血球数は2×104個以下であった.SFPは全例低下したが,遊離Hbはポンピングのみで増加した.以上よりポンピングによる濾過では溶血を伴うものの,急速輸血における白血球および微小凝集塊の除去率は高く,同種血輸血を安全に行なう手段としてRC 400®は有用である.

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