日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
フェンタニール・ミダゾラム混合経鼻投与法の小児麻酔前投薬および術後鎮痛に対する効果
水谷 明男吉武 重徳濱田 孝光内海 玲子谷口 一男本多 夏生
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 15 巻 5 号 p. 398-402

詳細
抄録

ASA 1-2の5ヵ月から7歳までの眼科・耳鼻科・口腔外科領域の予定手術を受ける小児20例を対象とし,麻酔前投薬と術後鎮痛の効果をみるためにフェンタニール(2μg/kg)・ミダゾラム(0.2mg/kg)混合経鼻投与とミダゾラム(0.2mg/kg)単独経鼻投与とを比較検討した.両者とも投与後5分より円滑な麻酔導入を行なうのに十分な鎮静が得られた.術後24時間の鎮痛薬投与は,ミダゾラム単独経鼻投与群では80%の症例であったが,フェンタニール・ミダゾラム混合経鼻投与群では20%の症例であった.しかし導入後,術中,術後の合併症はみられなかった.麻酔前投薬としてのフェンタニール・ミダゾラム混合経鼻投与は術前の鎮静だけでなく術後鎮静にも有用であると考えられた.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top