1995 年 15 巻 5 号 p. 398-402
ASA 1-2の5ヵ月から7歳までの眼科・耳鼻科・口腔外科領域の予定手術を受ける小児20例を対象とし,麻酔前投薬と術後鎮痛の効果をみるためにフェンタニール(2μg/kg)・ミダゾラム(0.2mg/kg)混合経鼻投与とミダゾラム(0.2mg/kg)単独経鼻投与とを比較検討した.両者とも投与後5分より円滑な麻酔導入を行なうのに十分な鎮静が得られた.術後24時間の鎮痛薬投与は,ミダゾラム単独経鼻投与群では80%の症例であったが,フェンタニール・ミダゾラム混合経鼻投与群では20%の症例であった.しかし導入後,術中,術後の合併症はみられなかった.麻酔前投薬としてのフェンタニール・ミダゾラム混合経鼻投与は術前の鎮静だけでなく術後鎮静にも有用であると考えられた.