1996 年 16 巻 6 号 p. 494-497
27ゲージ(G) Whitacre針または29G Quincke針を用いて551名に脊椎麻酔を行ない,穿刺回数,穿刺時の貫通感,髄液の逆流時間,頭痛の発生頻度を調べた.脊麻後頭痛の発生頻度は,27G針と29G針でそれぞれ0.4%と0.3%であり,両群間に差はなかった.穿刺回数も平均2.3回と1.3回で両群間に差はなかった.一方,術者のくも膜穿刺時の貫通感は,27G針と29G針で79%と31%と両群間に有意差があった.さらに髄液の逆流時間においても平均6秒と16秒で両群間に有意差があった.頭痛の発生と穿刺時の針の操作性からみて,無理に細い29G Quincke針を使用しなくても27G Whitacre針で十分であると考えられた.