日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
極細脊椎麻酔針(whitacre針とQuincke針)の比較
脊椎麻酔後頭痛の発生頻度と操作性
中村 禎志横尾 宏毅浜川 俊朗河野 太郎白石 成二高崎 眞弓
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 16 巻 6 号 p. 494-497

詳細
抄録

27ゲージ(G) Whitacre針または29G Quincke針を用いて551名に脊椎麻酔を行ない,穿刺回数,穿刺時の貫通感,髄液の逆流時間,頭痛の発生頻度を調べた.脊麻後頭痛の発生頻度は,27G針と29G針でそれぞれ0.4%と0.3%であり,両群間に差はなかった.穿刺回数も平均2.3回と1.3回で両群間に差はなかった.一方,術者のくも膜穿刺時の貫通感は,27G針と29G針で79%と31%と両群間に有意差があった.さらに髄液の逆流時間においても平均6秒と16秒で両群間に有意差があった.頭痛の発生と穿刺時の針の操作性からみて,無理に細い29G Quincke針を使用しなくても27G Whitacre針で十分であると考えられた.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top