1996 年 16 巻 9 号 p. 654-658
今回,われわれは86例の予定気管支鏡検査に対し,ラリンジアルマスク(LM)を用いた全身麻酔を行ない,麻酔管理上の問題点,気管支鏡の操作性,診断への有用性などについて調べた.LMを用いることにより,意識下検査と同様に喉頭,気管上部から観察することが可能となった.また,検査後の喀痰排泄などの呼吸機能維持に有効であった.しかし,麻酔が浅くなると息こらえ,バッキング,喉頭痙攣などが生じ,注意深い麻酔管理が必要とされた.LMを用いた全身麻酔下気管支鏡検査は,LMの特性を考慮すれば,安全で有効な方法である.