日本臨床麻酔学会誌
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ICGを指標にした人工心肺中の肝血流量に及ぼすPGE1の影響
小泉 實意子源田 正松本 延幸堀 孝郎宮崎 孝田辺 大明
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1996 年 16 巻 9 号 p. 659-662

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抄録

重要臓器の血流量が維持されると報告されているプロスタグランジンE1(PGE1)を大動脈弁置換予定手術患者7名に,人工心肺(CPB)開始時より25ng•kg-1•min-1にて持続投与し,インドシアニングリーン(ICG)クリアランスメーターを用いて肝血流量を測定,非投与群7名と比較検討した.非投与群ではCPB中のICG血漿消失率は,CPB前値と比較して59.9%の有意な低下がみられたのに対し,PGE1群では33.7%の低下にとどまり有意な低下は認められなかった.以上の結果から,CPB中のPGE1 25ng•kg-1•min-1の持続投与は,肝血流量の低下を減少させるものと考えられた.

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