1996 年 16 巻 9 号 p. 663-666
小児気管支異物に対し,ラリンジアルマスク挿入下での気管支ファイバースコープによる異物摘出術の麻酔を経験した.
症例は10ヵ月の男児.初回の摘出術では硬性換気用気管支鏡を用いたが,異物が末梢気管支に存在したため摘出できずに終了した.そこで,気管支ファイバースコープによる異物摘出術をラリンジアルマスク挿入下で行ない,左上葉気管支に嵌頓した異物を摘出した.
小児気管支異物例において,気管支ファイバースコープを使用する場合,気管内挿管では挿管チューブの径によって使用が制限されることがあるため,ラリンジアルマスクによる気道確保も考慮する必要がある.