日本臨床麻酔学会誌
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脳動脈瘤を合併した妊婦の帝王切開術とクリッピング術の麻酔経験
齋藤 将隆吉村 真紀蓮尾 浩諸岡 浩明藤垣 徹原 克己
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1998 年 18 巻 2 号 p. 177-180

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抄録
妊娠中のクモ膜下出血は比較的まれだが,重篤な合併症である.われわれは,妊娠19週で偶然発見された未破裂脳動脈瘤症例と,妊娠37週および38週にクモ膜下出血で発症した破裂脳動脈瘤症例2例を経験した.未破裂症例では,妊娠37週まで経過観察し硬膜外麻酔下に帝王切開術を行ない,1ヵ月後に脳動脈瘤手術を行なった.破裂症例では,帝王切開術と脳動脈瘤手術を一期的に行なった.
脳動脈瘤合併妊娠においては産科的および脳外科的適応に準じて,手術の時期や順序が決められる.麻酔管理においては,それぞれの麻酔管理の特徴に留意して脳動脈瘤の再破裂防止に努めることが重要である.
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