1998 年 18 巻 6 号 p. 570-574
当院手術室に導入されたCT撮影装置(Xvision/SP,東芝製)の臨床使用の前に,試験運用ならびにシミュレーションを行ない,麻酔管理上問題となる点を検討した.CT撮影装置からの漏洩線量は,被写体の左右45°より垂直方向にかけてが最も多かった.鉛入りプロテクターと防護ついたてを使用した場合,それぞれ86.6%, 98.4%の減衰能力を認めた.実際に麻酔管理を行なう際の被曝線量の測定では,防護ついたてで遮蔽すると被曝線量が10分の1以下に減少した.体位別のシミュレーションによって,呼吸回路の変更を含めた麻酔器などの器械の配置や配線のマニュアル化を行ない,術中CT撮影の円滑化を図った.