日本臨床麻酔学会誌
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18 巻, 6 号
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  • 小池 加保児, 杉田 真, 佐久 間勉
    1998 年 18 巻 6 号 p. 545-551
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
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  • 向田 圭子
    1998 年 18 巻 6 号 p. 552-560
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 石部 裕一, 山崎 和雅, 上田 敬一郎, 上田 真由美, 広沢 寿一, 堀 真也
    1998 年 18 巻 6 号 p. 561-569
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    わが国で平成8年から9年にかけての1年間に,胸部外科手術の68%に片肺換気(OLV)が施行され,必須のテクニックとなった.肺分離には72%で左用ダブルルーメンチューブ(DLT)が使用されている.正確なDLTの位置決めが最も重要で,気管支ファイバースコープは必須である.OLV中のチューブ位置ずれによる換気不全が最も多い合併症で,気管損傷,肺水腫など重篤なものも発生する.OLV中の肺膨張の必要性についてはさらに虚血-再灌流肺傷害の観点から検討する必要がある.吸入麻酔薬や血管拡張剤は本質的にはHPVを抑制し,OLV中の低酸素血症の原因となるが,種々の拮抗作用が働くため,低濃度ならば臨床的に問題はない.OLVは安全域の狭い麻酔管理法であるので肺生理学と臨床手技を修得し,個々の症例について危険性と利便性を検討のうえ慎重に実施すべきである.
  • 柳本 政浩, 木下 義和, 武田 明子, 新江 聡, 杉浦 良啓, 後藤 幸生
    1998 年 18 巻 6 号 p. 570-574
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    当院手術室に導入されたCT撮影装置(Xvision/SP,東芝製)の臨床使用の前に,試験運用ならびにシミュレーションを行ない,麻酔管理上問題となる点を検討した.CT撮影装置からの漏洩線量は,被写体の左右45°より垂直方向にかけてが最も多かった.鉛入りプロテクターと防護ついたてを使用した場合,それぞれ86.6%, 98.4%の減衰能力を認めた.実際に麻酔管理を行なう際の被曝線量の測定では,防護ついたてで遮蔽すると被曝線量が10分の1以下に減少した.体位別のシミュレーションによって,呼吸回路の変更を含めた麻酔器などの器械の配置や配線のマニュアル化を行ない,術中CT撮影の円滑化を図った.
  • 入江 将之, 原田 秀樹, 宮川 貴圭, 山田 信一, 加納 龍彦
    1998 年 18 巻 6 号 p. 575-580
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
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    上腹部開腹術が予定された手術患者41名を無作為にA, Bの2群に分けて,A群(n=21)では手術開始前から,B群(n=20)では手術終了約30分前から,バルーンインフユーザーを用いて,ブピバカイン,ブプレノルフィン混合液を2ml・h-1(ブピバカイン5mg・h‐1,ブプレノルフィンは8.4μg・h-1)の速度で48時間硬膜外腔に持続注入した.術後2日間の観察ではバイタルサイン,疼痛の程度を示す視覚アナログ尺度,追加鎮痛薬,意識清明度,快適度,腸管機能および運動機能の回復度についていずれも2群間に有意差を認め得なかった.今回の研究からは,上腹部開腹術後疼痛対策としての先行鎮痛の有用性を証明できなかった.
  • 石山 由香里, 奥富 俊之, 外須 美夫
    1998 年 18 巻 6 号 p. 581-585
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    帝王切開術後の鎮痛目的で術中に投与した硬膜外モルヒネが,産褥早期乳汁分泌量,児の体重増加に及ぼす影響を調べるために,術中硬膜外モルヒネを投与されたモルヒネ投与群(平均投与量2.5mg±0.5mg, n=14),術中ならびに術後もモルヒネを投与されなかった非投与群(n=11),無麻酔下経膣分娩群(NSD群,n=11)の3群間でレトロスペクティブに比較検討した.対象は一定期間に児を出生し,児が日齢0より経口摂取できた症例とした.
    日齢2の乳汁分泌量は帝王切開術を施行されたモルヒネ投与群,非投与群がNSD群より低かったが,モルヒネ投与群と非投与群に差は認められなかった.日齢1, 3, 4の乳汁分泌量と日齢1~4の児の体重増加率は3群間に有意差はなかった.帝王切開術が施行された二つの患者群では,術後鎮痛補助薬を使用した患者の割合はモルヒネ投与群のほうが非投与群より有意に低かった.帝王切開術中に硬膜外モルヒネ投与をすると,術後鎮;痛は得られるものの,帝王切開による産褥早期の乳汁分泌の低下は非投与群と同様に防止されなかった.
  • 血清ADH, GST-α活性および門脈血流量の変化
    恒川 卓, 高木 宏幸, 石原 明子, 春原 啓一, 田中 明美, 勝屋 弘忠
    1998 年 18 巻 6 号 p. 586-591
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術の肝機能に及ぼす影響をアルコール脱水素酵素とグルタチオンS転移酵素αの血清活性と門脈血流量の変化から検討した.術中の血圧を吸入麻酔薬のみで術前の安静時血圧に近い値に維持した群と,吸入麻酔薬にジルチアゼムを併用し術前の安静時平均血圧の80%前後に低下させた群で比較した.両酵素活性は2群とも術前値と比較し術中有意に増加し,術後には術前値と有意差はなくなった.門脈血流量は気腹解除直前にそれぞれ術前値の30.3±9.4%, 37.9±9.5%と有意(p<0.05)に減少し,脱気後,2群ともほぼ術前値に回復した.門脈血流量の術前値を除くどの時点においても,2群間に有意差はみられなかった.
  • 柏木 政憲, 金子 武彦, 忍田 純哉, 高田 稔和, 渡邊 朋子, 大脇 明
    1998 年 18 巻 6 号 p. 592-596
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    生後19日3,900gの新生児の腹腔鏡補助下卵巣嚢胞摘出術の麻酔を経験した.動脈血終末呼気二酸化炭素分圧較差(a-ETDCO2)は,気腹前には1mm Hg, 5mm Hgでの気腹時には8mm Hgであった.7mm Hgの気腹と約10°のトレンデレンブルク体位の併用時には換気が障害され,a-ETDCO2は12mm Hgまで増加し,下大静脈圧は,気腹前の6mm Hgから16~19mm Hgまで上昇した.新生児では気腹条件や体位により,a-ETDCO2が大きく変動する可能性があり,注意が必要である.下大静脈圧は,気腹と体位変換を安全に行なう際の指標になる可能性が示唆された.
  • 松瀬 信二, 上原 康一, 竹下 美智代, 高崎 眞弓
    1998 年 18 巻 6 号 p. 597-600
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    麻酔後の耳下腺腫脹,いわゆるanesthesia mumpsを最近1年間に3例経験した.硬膜外麻酔とプロポフォールによる子宮摘出術の1例,気管内挿管全身麻酔による帝王切開の1例とイレウス解除術の1例であった.術直後から術後10時間までに,局所の腫脹,熱感,または圧痛で発症したが,いずれも保存的治療で36時間以内に消退した.本症は一過性に経過し保存的治療で治ることが多いが,心にとどめておかなければならない合併症である.
  • 秋吉 浩美, 栗原 雄二郎, 迎 雅彦, 檀 健二郎
    1998 年 18 巻 6 号 p. 601-604
    発行日: 1998年
    公開日: 2008/12/11
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    ライト付きスタイレット(TRACHLIGHTTM:以下TL)は,非直視下に頸部からの透過光を目安に気管内挿管する方法で,操作法も比較的容易に習得でき,挿管困難症例に対してもその有用性が報告されている.今回われわれは過去3回の麻酔の際,喉頭鏡および気管支ファイバーで気管内挿管できなかった患者に対し,TLを使用することにより容易かつ短時間で挿管に成功した症例を経験した.TLは挿管困難症例に対して有効な手段の一つと考えられた.
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