日本臨床麻酔学会誌
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低侵襲小切開心術手術(minimally invasive cardiac surgery: MICS) 9例の麻酔経験
山田 達也森井 英恵石井 久美重松 次郎昌幸橋口 さおり武田 純三
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1998 年 18 巻 9 号 p. 702-706

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抄録
小さな切開創を特徴とする低侵襲小切開心術手術(MICS) 9症例の麻酔を経験した.症例は僧帽弁形成術・置換術4例,大動脈弁置換術3例,心房中隔欠損閉鎖術1例,左房粘液腫摘出術1例で,胸骨右外側もしくは上部胸骨に約9cmの皮膚小切開を行ない手術を施行した.術野の展開に制限があり,従来の開心術と比較して対外循環時間は延長した.術後に鎮痛薬を必要とする症例は減少した.術後回復は早く,経過は良好で,術後在院日数は短縮した.麻酔管理では,心内遺残空気の除去や循環動態の評価に経食道心エコーが有用かつ必要不可欠であり,不整脈や出血など緊急事態には,より迅速な判断と対応が必要と考えられた.
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