日本臨床麻酔学会誌
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ビタミンK欠乏による凝固抑制患者の麻酔管理
湯浅 晴之河田 圭司梶川 竜治大家 宗和古賀 義久
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キーワード: ビタミンK欠乏
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1999 年 19 巻 10 号 p. 613-616

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抄録

要旨 術前検査において,プロトロンビン(PT)活性低下を示す患者の麻酔管理を2例経験した.活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)は正常値を示し,ヘパプラスチンテスト(HPT)は低下していたため,ビタミンK依存性凝固因子であるVII因子の低下が明らかになり,ビタミンK欠乏を疑った.ビタミンK1 10mg投与によるPT活性及びHPTの正常化,さらにPIVKA (protein induced by vitamin K absence or antagonist)-IIの高値を確認し,これら2症例はビタミンK欠乏であると結論した.原因は,術前の絶飲絶食とセフェム系抗生物質の投与が考えられた.出血傾向を呈する症例には,その病態を理解した周術期管理を行なうことが肝要である.

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