日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
星状神経節ブロックが有効であったレーベル遺伝性視神経症の一症例
菊池 幸恵樋口 比登実増田 豊橋本 誠岡本 健一郎八代 亮細山田 明義
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 19 巻 10 号 p. 609-612

詳細
抄録

要旨 レーベル遺伝性視神経症(以下Leber病)の診断にて眼科的治療を受けるも回復せず,星状神経節ブロック(以下SGB)を施行し,両眼視力回復が認められた症例を経験した.症例は20歳男性.当科初診時視力(以下すべて矯正視力)は右眼0.07,左眼0.02,視野上大きな中心暗点を認めた.急性期の右眼に対し,1日2回のSGBによる治療を開始し,治療開始7ヵ月後(左右SGB合計約200回),視力右0.6,左0.2,視野上も中心暗点が縮小し,中心視力も出現,週1回の外来通院となっている.眼疾患に対するSGBの作用機序は未知の部分も多いが,副作用なく長期にわたって治療可能なSGBは,治療法の一つとして選択されうると考えられた

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top