日本臨床麻酔学会誌
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中心静脈カテーテルがクモ膜下腔へ迷入した1症例
仁熊 敬枝遠藤 恵美子八井田 豊大川 雅廣石川 麻子松本 睦子
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2000 年 20 巻 3 号 p. 179-183

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抄録
右内頸静脈穿刺による中心静脈カテーテル留置中にカテーテルがクモ膜下腔に迷入するという,きわめてまれな合併症を経験したので報告する.刺入部位が通常より外側であったために椎骨静脈を穿刺し,さらにガイドワイヤーが硬膜を穿破してカテーテルが迷入したと考えられた.針やガイドワイヤーあるいはカテーテルによる神経損傷が起こると重篤な後遺症を残す可能性もあり注意を要する.穿刺やカテーテルの挿入が困難な症例では,穿刺部位の解剖学的な位置確認を十分行なう必要がある.
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