2001 年 21 巻 10 号 p. 491-494
小児開心術後の症例に対し塩酸コルホルシンダロパート使用群とコントロール群とを,術野から直接挿入した肺動脈カテーテルを使用して心拍出量を測定することにより比較検討した.コントロール群では経過とともに心拍出量は減少したのに対し,コルホルシン群では変化がなかった.コルホルシン群ではコントロール群に比較して体血管抵抗係数の低下が顕著であった.コルホルシン群は投与初期にのみ心拍数の増加がみられた.不整脈などの副作用はなかった.塩酸コルホルシンダロパートは小児開心術後早期において末梢循環を改善することによって心拍出量を増加させる.したがって,塩酸コルホルシンダロパートは小児開心術後の患者に有用である.