日本臨床麻酔学会誌
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維持期電気痙攣療法に対する日帰り麻酔の安全性検討
坂本 篤裕小川 龍鈴木 博子木村 真人藤屋 哲夫
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2001 年 21 巻 10 号 p. 495-501

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抄録

うつ病患者に対する電気痙攣療法(electroconvulsive therapy: ECT)後の症状再発予防に行われる維持通電療法(maintenance ECT: mECT)における日帰り麻酔の実施と安全性について検討した.ECTが有効であり,維持薬物療法抵抗性を示したうつ病患者11人を対象とした.mECTは最初の1月は1週間おき,次の1月は2週間おき,以後は1月に1回の割合で行った.麻酔はプロポフォールとスキサメトニウムで行い,正弦波定電圧通電器110V7秒間の通電を行った.精神科医診察,ECT前後での見当識障害の判定,覚醒度の判定,本人および家族への問診を行った.全例ECT施行2時間後に認知機能は回復し,3時間後に帰宅させた.麻酔に起因する合併症は認めず,施行中の記銘力障害は施行間隔の変更により対応した.対象を規定したmECTに対する外来麻酔を安全に行うことができた.

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