2001 年 21 巻 2 号 p. 109-113
ベクロニウム追加投与は筋弛緩モニタ上の指標T1のどの回復時点で行うかを明らかにするため,臨床症例で前向きに検討した.T1が30%または20%に回復するごとにベクロニウムを追加投与すると,追加投与間隔はプロポフォール群でセボフルラン群より短かかった(p<0.001).30%群で,T1が30%に回復する前に臨床上ベクロニウムの追加投与を要した症例は,プロポフォール群でセボフルラン群より多かったが,20%群では両群間に差がなかった.筋弛緩モニタを用いて筋弛緩薬追加投与の時点を決めるときは,プロポフォール麻酔とセボフルラン麻酔で基準を変えるべきことが示唆された.