日本臨床麻酔学会誌
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脳死肺移植の麻酔経験
小林 孝史堀之内 節加藤 正人高橋 雅彦松川 周
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キーワード: 脳死, 肺移植, 麻酔
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2001 年 21 巻 5 号 p. 272-276

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抄録
本邦初の脳死肺移植が施行された.右肺の移植は本学加齢医学研究所で行われ,われわれが麻酔を担当した.症例は肺リンパ脈管筋腫症の38歳,女性で,肺機能は肺活量0.74l,1秒量0.38lと高度に低下していた.肺高血圧症はみられなかった.麻酔はフェンタニル,ミダゾラム,ベクロニウムで導入・維持した.分離肺換気中低酸素血症の進行および低血圧で左室機能が低下し,大腿静脈脱血・大腿動脈送血による人工心肺を併用した.人工心肺後は循環動態の安定を第一目標として管理を行い,結果として体重が7kg増加と予定以上の容量負荷となった.麻酔時間9時間13分,手術時間6時間38分,人工心肺時間2時間5分であった.術後は人工呼吸管理を行い,第5病日に抜管した.術後乳糜胸が残存し,OK-432による胸膜癒着術を計5回行った.患者は第75病日,軽快退院した.
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