抄録
チアミラールの静注で生じる咳反射に影響する因子として,投与速度や投与経路とアトロピン前投薬について検討した。中心静脈から50mg・sec-1投与群は25mg・sec-1投与群に比べて咳反射の発生頻度が有意に高かった。末梢静脈から50mg・sec-1で投与した群は咳反射を認めなかった。中心静脈から50mg・sec-1で投与したアトロピン投与群は非投与群に比べて咳反射の発生頻度が有意に高かった。チアミラールを中心静脈から急速に投与すると咳反射の発生頻度が上昇する。またアトロピン前投薬は咳反射の発生頻度を減少させない。