日本臨床麻酔学会誌
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低流量による笑気, エンフルレン麻酔の検討
磨田 裕曽我 武久住友 正和山田 倫子沼田 克雄
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1984 年 4 巻 1 号 p. 92-99

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抄録
低流量による笑気, エンフルレン麻酔を100例の予定手術患者で行ない, その安全性や安定性を検討した. 麻酔は, 急速導入後約40分間は通常の高流量法で維持し, その後, 笑気0.5l/分, 酸素0.5l/分の低流量法に移行した. エンフルレンは, 高流量の場合と同様, VOCで投与した. 低流量に移行後, 吸気酸素濃度は15~30分で約40%とほぼ一定となり, その後も38~40%で経過した. この酸素濃度は, 諸家による予測式から得られる値と近似している. 気化器の濃度セットは, 1.9~2.7%で高流量群よりも高かったが, 呼気終末エンフルレン濃度は1.5%前後で, 高流量群と同等に維持できた. この方法は, 特殊な手技を要せず, 安全性や安定性からも有用と思われる.
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