日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
長時間麻酔症例における肝機能の検討
宮本 政春土田 英昭櫻谷 憲彦表 哲夫岩崎 寛並木 昭義
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 8 巻 3 号 p. 284-288

詳細
抄録

麻酔時間が長時間 (20時間以上) におよんだ症例, 男女33名を使用した麻酔薬により3群に分け, 術前, および術後21日目までの肝機能に関する検査成績 (GOT, GPT, LDH) について比較検討した. ハロセン群では8例中, 4例(50%) において中等度ないしは高度のGOT, GPT, LDHの上昇を認めた. これに対してエンフルレン群では17例中, 5例 (29%) に軽度ないしは中等度のGOT, GPT, LDHの上昇を認め, NLA群では8例中, 1例 (13%) のみに軽度のGOT, GPTにおける上昇を認めた. 以上より, 長時間の麻酔に際して肝機能の面からはハロセン麻酔よりもエンフルレン麻酔, NLA麻酔がより安全であることが示唆された.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top