日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
局麻下気管切開術時の各種鎮痛薬併用による呼吸に及ぼす影響
土生 晶子長谷 敦子橋田 啓森 正和谷口 一男本多 夏生
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 8 巻 4 号 p. 394-398

詳細
抄録
40例の頭頚部腫瘍摘出術に伴う局麻下気管切開術症例を8例ずつ無作為にコントロール群, ブトルファノール1mg群, ブトルファノール2mg群, タラモナール®1ml群, ベンタゾシン15mg群の5群に分け, 気管切開前に各薬剤を静注にて投与し, 動脈血ガス分析, 血圧, 心拍数, 呼吸数から呼吸に及ぼす影響と鎮静効果について検討した. コントロール群では呼吸数, 心拍数が増加しPaO2の上昇も認められ, 鎮静の必要性が裏付けられた. 一方, 薬剤投与群では鎮静度の差は認められず, 多少の呼吸抑制は全群でみられたが, ブトルファノール群でのPaO2の有意な低下が特徴的であり, 呼吸抑制の観点からはタラモナール®1ml, ペンタゾシン15mgが適していると思われた.
著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top