日本臨床麻酔学会誌
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激痛が誘発された脊椎麻酔経験
瀧 健治遠藤 重厚松岡 哲也長沢 敏明菊池 正知石川 和伸
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1989 年 9 巻 4 号 p. 361-363

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抄録
脊椎麻酔を施行した直後より脊椎麻酔が誘発したとみられる下肢痛を訴えた2症例を経験したので, その症例の紹介とその誘発機序について考察した. 2症例とも外傷性のカウザルギー様疼痛を数ヵ月前まで訴えており, 脊椎麻酔による抑制繊維の遮断によって疼痛が誘発されたものと推論した. このような症例には脊椎麻酔は不適当と言われているが, 経験したいずれの症例でも鎮痛剤より神経遮断薬や中枢神経抑制薬が誘発された激痛の鎮痛に有効であった.
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