日本臨床細胞学会雑誌
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原著
自然尿細胞診標本の退色について
今井 律子夏目 園子大池 里枝田中 瑞穂氏平 伸子佐竹 立成
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2007 年 46 巻 5 号 p. 262-265

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抄録
目的 : フィルター法 (以下F法と略す) とオートスメア法 (以下A法と略す) を用いて検体処理した自然尿細胞診標本の退色の程度に違いがあるか検討した.
対象 : 同一検体を用いてF法とA法で標本作製してから7年経過した10標本, 5年経過した62標本を用いた.
方法 : 2方法で作製されたPapanicolaou染色標本中の尿路上皮細胞と好中球の退色の程度を検討した. 退色の程度は退色なし (-), 軽度退色 (+ : 細胞質の色調消失, 核の色調軽度消失), 高度退色 (2+ : 細胞質および核の色調消失) の3段階に分類した.
結果 : 1) F法で作製された標本中の尿路上皮細胞には7年経過しても退色を認めなかった. 2) A法で作製された標本中の尿路上皮細胞は5年経過で (-) 18/62 (29%), (+) 29/62 (47%), (2+) 15/62 (24%), 7年経過で (-) 1/10 (10%), (+) 5/10 (50%), (2+) 4/10 (40%)の標本に退色がみられた.
結論 : F法で作製された標本は専用フィルターと散乱板を用いて標本が作製されるため, 光の透過性が低く, A法に比べ光反応による退色がおきにくかったものと考えられる.
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© 2007 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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