日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
原著
Definitive diagnosis of mesothelioma by effusion cytology
—Use of the cell transfer method or cell block method for immunochemical staining—
Shotaro MAEDAMasaru HOSONEHironori KATAYAMAHiromi IWASEKiyoko KAWANOYumi MASUDAHiroaki ISOBEHirotsugu ATARASHIShigeo TANIMURAZenya NAITO
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2008 年 47 巻 2 号 p. 103-110

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抄録

目的: 体腔液細胞診による中皮腫の確定診断法について検討した.
方法: 当院において過去 2 年間に体腔液細胞診で診断された中皮腫 6 例 (5 例: 胸膜中皮腫, 1 例: 腹膜中皮腫) について検討した. 体腔液細胞診で中皮腫が疑われたため, 確定診断のために 4 例に対しては細胞転写法を, 2 例に対してはセルブロック法を用いて免疫化学染色を行った. 免疫化学染色の抗体として, カルレチニン, CK5/6, D2-40, トロンボモジュリン, メゾセリン, CEA, EMA, E-cadherin, p53 蛋白が用いられた.
成績: カルレチニンは 6/6 例 (100%) , CK5/6 は 6/6 例 (100%) , D2-40 は 6/6 例 (100%) , トロンボモジュリンは 6/6 例 (100%) , メゾセリンは 6/6 例 (100%) , CEA は 0/6 例 (0%) , MOC31 は 0/6 例 (0%), EMA は 5/6 例 (83%), E-cadherin は 5/6 例 (83%), p53 蛋白は 6/6 例 (100%) に陽性であり, 6 例全例が体腔液細胞診で中皮腫と確定診断された.
結論: 体腔液細胞診において細胞転写法あるいはセルブロック法を用いて, 複数の抗体に対して免疫化学染色を行うことにより中皮腫の確定診断が可能であった.

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© 2008 The Japanese Society of Clinical Cytology
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