抄録
目的 : ポリープ状異型腺筋腫 (atypical polypoid adenomyoma, 以下 APA) の細胞像の特徴について検討した.
方法 : 子宮内膜細胞診を用いて, 組織学的に APA と診断された 6 例の細胞像を観察するとともに, 正常内膜 (n=17), 子宮内膜増殖症 (n=8), 類内膜腺癌 G1 (n=8) における細胞像と比較, 検討し, 特徴的な所見の感受性 (sensitivity : 以下 se), 特異性 (specificity : 以下 sp) を得た.
成績 : APA と推定しうる所見として, (1)平滑筋様紡錘細胞性間質 (se 66.7%), (2)扁平上皮化生様変化 (se 33.3%), (3)半島状集塊 (se 33.3%), (4)分岐・網目状血管間質 (se 83.3%), (5)正常内膜成分との混在 (se 100%), (6)清明な背景 (se 83.3%) があげられた. 対照症例の細胞学的相違点においては, 全群に対し平滑筋様紡錘細胞性間質 (sp 100%), G1 との比較では清明な背景 (sp 100%) を示した.
結論 : APA では, 異型の乏しい平滑筋様紡錘細胞性間質の集団を観察することが推定診断の一助になると考えられた. 症例によって各所見の出現頻度に差はあるものの, 出現する細胞を詳細に観察し, また, 背景に着目することが重要と考える.