抄録
目的 : 液状化検体細胞診 ThinPrep 法の子宮頸部病変検出能を前方視的に従来法と比較し, その有用性を明らかにすることを目的とした.
方法 : 2007 年 5 月∼2008 年 3 月の期間に同意が得られた 8051 例を対象とした. 子宮頸部よりブラシで採取した細胞を直接塗抹しエタノール固定する従来法と, ブラシに付着した残りの細胞を保存液内にすすぎ出して回収する ThinPrep 法により標本作製した. 標本は染色後マッチドペア・盲検試験法により細胞判定し, 比較した.
成績 : コルポスコープ診もしくは組織診で陰性だったのは 7498 例 (93.1%), 組織診で CIN2 以上の病変が確認されたのは 553 例 (6.9%) であった. CIN2 以上の病変を検出する感度は, 従来法が 71.3%, ThinPrep 法が 77.4%, 特異度は, 従来法が 99.0%, ThinPrep 法が 98.9%であった.
結論 : ThinPrep 法は CIN2 以上の頸部病変の検出能が従来法よりも優れていることが示唆される, 有用性の高い液状化検体細胞診法である.