日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
原著
LSIL の新たな細胞所見の検討
—ASC-US 判定率の減少を目指して—
岡山 香里大河戸 光章熊谷 朋子藪崎 宏美吉永 陽樹福井 正藤井 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 49 巻 5 号 p. 321-329

詳細
抄録
目的 : 意義不明な異型扁平上皮細胞 (atypical squamous cells of undetermined significance : ASC-US) 症例におけるハイリスク型 HPV 感染細胞の特徴を明らかにし, HPV-DNA 検査に頼らずに軽度扁平上皮内病変 (low-grade sqaumous intraepithelial lesion : LSIL) 相当の指導方針を導き出すことができないか検討した.
方法 : 対象は ASC-US と判定された 151 例の細胞浮遊液である. HPV の同定には L1-PCR 法, HPV 感染細胞の同定には in situ PCR 法を用いた.
成績 : ASC-US 症例のハイリスク型 HPV の感染率は 86.8%であった. HPV 感染を疑う所見 7 項目とハイリスク型 HPV 検出の感度, 特異度を調べたところ, 感度 40%以上, かつ特異度 90%以上を示したのは二核細胞 (圧排+) と核肥大細胞 (クロマチン不均等分布) であった. in situ PCR 法でハイリスク型 HPV を検出した結果, 二核細胞 (圧排+) では 100%, 核肥大細胞 (クロマチン不均等分布) では 81.9%でハイリスク型 HPV が検出され, 両者ともにハイリスク型 HPV 感染と有意な関係が認められた (p<0.001).
結論 : ASC-US の細胞所見を呈する標本において, 二核細胞 (圧排+) が出現していた際は, HPV-DNA 検査を実施せずに, LSIL と判定することが可能と考えられた.
著者関連情報
© 2010 公益社団法人 日本臨床細胞学会
次の記事
feedback
Top