抄録
背景 : 類形質細胞型尿路上皮癌は 1991 年に Sahin らにより報告された尿路上皮癌のまれな亜型で, 腫瘍細胞は形質細胞に類似し, 予後不良である. 今回われわれは腹膜播種を認めた類形質細胞型尿路上皮癌の 1 例を報告する.
症例 : 72 歳, 男性. 頻尿と排尿困難を主訴として当院泌尿器科を受診. 膀胱鏡では粘膜の浮腫状の所見を認めた. 膀胱洗浄液細胞診では多形性に富む異型細胞が観察され高異型度尿路上皮癌と診断した. 経尿道的膀胱腫瘍切除術の組織診では粘膜内に高異型度尿路上皮癌を認め, 間質部には偏在核, 好酸性核小体を有する形質細胞様の異型細胞が観察された. 間質部の腫瘍細胞は cytokeratin, CD138 が陽性であり類形質細胞型尿路上皮癌と診断した. 腹水細胞診では形質細胞様の異型細胞を認め, 腹膜播種陽性と診断した. 後に提出された自然尿では高異型度尿路上皮癌と類形質細胞型尿路上皮癌の両成分が示唆される異型細胞を認めた.
結論 : 尿, 膀胱洗浄液細胞診で形質細胞様の異型細胞を認める場合は, 類形質細胞型尿路上皮癌を鑑別にあげる必要がある. また, 本組織型では腹腔内進展をきたす頻度が高く, 腹水細胞診は重要な役割を担うであろう.