日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
原著
甲状腺における液状化検体細胞診
—その有用性と形態的特徴—
鈴木 彩菜廣川 満良高木 希延岡 由梨山尾 直輝隈 晴二宮内 昭
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 52 巻 6 号 p. 495-501

詳細
抄録
目的 : 甲状腺液状化細胞診 (LBC) の報告はいまだ少ない. 今回われわれは, 甲状腺 LBC の有用性やその細胞像を明らかにするために検討を行った.
方法 : 2012 年 2∼5 月の 3 ヵ月間に, 甲状腺穿刺吸引細胞診が施行された 437 結節を対象とした. 通常塗抹標本作製後, 穿刺針洗浄液を用いて SurePath 法にて LBC 標本を作製し, 細胞像の比較や検体不適正率について検討した.
成績 : CytoRichTM RED (CR-R) の固定液では背景成分の減少と細胞収縮がみられた. 一方, CytoRichTM BLUE (CR-B) では細胞収縮は少なかったが, 背景に蛋白成分や赤血球が残り, リンパ球の減少が顕著であった. LBC 標本は通常塗抹標本に比し, 細胞密度が高く, 良性細胞より悪性細胞の出現割合が高かった. 濾胞集塊周囲の淡明帯は腺腫様甲状腺腫にて, ジグザグな核縁は乳頭癌にて観察された. 検体不適正率は, 通常塗抹標本で 8.1%, LBC 標本で 5.3%, 両標本を併用した場合 2.2%であった.
結論 : 今まで捨てられていた塗抹後の穿刺針を用いた LBC 標本の併用は検体不適正率の減少に有用であるが, その細胞所見は通常塗抹標本と異なる点に留意すべきである.
著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本臨床細胞学会
次の記事
feedback
Top