日本臨床細胞学会雑誌
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症例
広範な肉腫様変化を伴った腎集合管癌の 1 例
石田 誠実織田 みほ岡村 義弘鳥居 良貴造住 誠孝井出 良浩廣田 誠一
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2014 年 53 巻 6 号 p. 453-459

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抄録
背景 : 腎集合管癌は, 腎上皮性悪性腫瘍の 1%以下とされるまれな腫瘍で, Bellini 管に類似した構造を呈する高悪性度の腫瘍である. 今回われわれは, 広範な肉腫様変化を伴った集合管癌の 1 例を経験したので, その細胞像を中心に報告する.
症例 : 50 歳代男性. 無症候性肉眼的血尿にて近医を受診し, 画像検査で右腎腫瘍を指摘され, 精査目的で当院に紹介受診となった. 腎盂尿細胞診では, 乳頭状集塊, 細胞質の小空胞化, 核偏在傾向など, 腺系の特徴を有する異型細胞を認めた. 腹腔鏡下右腎摘出術が施行され, 摘出された腫瘍の捺印細胞診では, おたまじゃくし様の異型細胞を多数認め, 核中心性の紡錘形肉腫様細胞もみられた. 組織学的に広範な肉腫様変化を伴う集合管癌と診断された.
結論 : 尿細胞診において集合管癌を特定することは困難とされているが, 腺系の特徴を有する細胞に加えて, 肉腫様細胞がみられた場合は集合管癌の可能性があることを念頭に置いて細胞判定する必要がある.
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© 2014 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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