日本臨床細胞学会雑誌
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症例
胆管原発腺内分泌細胞癌の 1 例
—採取検体による出現腫瘍細胞の形態差異と組織像の関連について—
町田 知久伊藤 仁加戸 伸明渡具知 克藤田 大貴杉山 朋子中村 直哉田尻 琢磨
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2016 年 55 巻 1 号 p. 26-31

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抄録
背景 : 腺内分泌細胞癌 (mixed adenoneuroendocrine carcinoma : 以下 MANEC) は上皮粘膜内に局在する腺癌成分と粘膜下以深に分布する神経内分泌細胞癌が混在する特徴的な形態を呈する. 今回, 採取法により細胞形態の差異を認めた胆管原発 MANEC の 1 例を報告する.
症例 : 60 歳代, 男性. 主訴は黄疸. ERCP にて胆管に腫瘤が確認された. 胆汁・胆管擦過細胞診で腺癌が疑われ, 胆囊・胆管切除術が施行された. 胆汁細胞診では, 腺管状・柵状配列を呈する腺癌細胞が観察された. 胆管擦過細胞診では, 腺癌細胞に加え, 比較的 N/C 比が高い類円形の異型細胞が観察されたが, 腺癌の低分化成分と考えた. 術中の腹腔洗浄液細胞診では, 粗顆粒状核と高 N/C 比を有する類円形細胞が出現し神経内分泌細胞癌を疑った. 組織診では, 粘膜には高分化な腺癌, 粘膜下では CD56 が陽性を示す高 N/C 比の小型類円形細胞の集簇が観察され, MANEC と診断された.
結論 : 採取法による細胞像の違いは特徴的な組織像を反映する. 腺癌と神経内分泌癌の中間系細胞を認識することで, 正診率と予後の向上に貢献できる.
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© 2016 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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