日本臨床細胞学会雑誌
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症例
液状検体法を導入した子宮内膜細胞診が有効であった未分化子宮肉腫の 1 例
岩崎 和美, 黒川 哲司, 品川 明子, 森 正樹, 酒井 康弘, 今村 好章, 吉田 好雄
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2017 年 56 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

背景 : 未分化子宮肉腫は, 2014 年 WHO の子宮内膜間質腫瘍の組織学的分類で, 初めて提唱された疾患名である. そして, その鑑別診断の一つが, 全く治療法が異なる未分化癌である. 本例は, 液状検体法 (LBC 法) を導入した子宮内膜細胞診断が 「肉腫疑い」 で, 術前の子宮内膜組織診断が 「未分化癌」 であった未分化子宮肉腫である.

そこで, なぜ, 子宮内膜細胞診 (LBC 法) が子宮内膜組織診に比べ, 摘出腫瘍の組織を反映したかを考察したので報告する.

症例 : 52 歳, 女性. 主訴は不正出血. 子宮内膜細胞診像は, 孤立散在性に出現する多形性細胞で, 核所見はきわめて異型が強かった. 子宮内膜組織診像は, 大部分が赤血球でごく一部に蜂巣状に発育した腫瘍細胞を認めるのみであった. 本例の診断において, 子宮内膜細胞診 (LBC 法) が有効であった理由は, 溶血操作により赤血球に邪魔されず腫瘍細胞を容易に観察できたことと, 標本を複数枚作製し免疫染色により間葉系への分化傾向を証明できたことである.

結論 : 出血を伴う巨大な腫瘍を形成する未分化子宮肉腫では, 子宮内膜組織診に加え子宮内膜細胞診 (LBC 法) を併用することが術前診断の一助となりうると考えられる.

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