日本臨床細胞学会雑誌
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症例
子宮頸部原発平滑筋肉腫の 1 例
竹田 (寺田) 倫子玉手 雅人杉田 真太朗鈴木 孝浩齋藤 豪
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キーワード: Uterine cervix, Leiomyosarcoma
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2017 年 56 巻 2 号 p. 92-95

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抄録

背景 : 子宮平滑筋肉腫は子宮体部に発生することが多く, 子宮頸部原発の平滑筋肉腫はまれである. われわれは, 子宮頸部に発生した平滑筋肉腫の症例を経験したので報告する.

症例 : 症例は 45 歳. 不正出血が続くため当科を受診した. 子宮頸部に 1.5 cm 大の筋腫様腫瘤を認めた. 腫瘍擦過細胞診では NILM (negative for intraepithelial lesion or malignancy) と診断し, 子宮鏡下に腫瘍摘出術を施行したところ平滑筋肉腫との診断にて, 初回手術から 23 日後に準広汎子宮全摘出術+両付属器摘出術を施行した. 術後約 2 年経過したが, 今のところ再発の徴候はない.

結論 : 平滑筋肉腫は細胞診で診断することが困難な場合があるため, 細胞診で紡錘形細胞を認めた場合は, 悪性腫瘍である可能性も考慮しながら診断を進めていく必要がある.

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