2020 年 59 巻 1 号 p. 13-17
唾液腺細胞診は唾液腺病変の質的評価に有用で広く用いられているが唾液腺腫瘍の特性のため良悪性の判定や特定の組織型推定が困難な場合がある. このような唾液腺細胞診の特殊性に対処するために, 国内では 「唾液腺細胞診の新報告様式」 が提唱されてきたが, 昨年新たに唾液腺細胞診報告の国際標準として 「唾液腺細胞診ミラノシステム」 が出版された. ミラノシステムはⅠ. 不適正, Ⅱ. 非腫瘍性, Ⅲ. 意義不明な異型, Ⅳ. 腫瘍 (A. 良性および B. 良悪性不明), Ⅴ. 悪性の疑い, Ⅵ. 悪性の 6 つの診断区分より構成され, それぞれの区分に悪性のリスクと臨床的対応が記載されており臨床家にとっても有用である. 唾液腺病変は臨床的には, 良悪性にかかわらず腫瘍であれば原則手術適応となることから, 腫瘍性病変の拾い上げに重点をおき腫瘍と非腫瘍を区別した診断区分となっていること, 細胞診検体を用いた補助診断や臨床画像所見との対比を推奨していることなどが特徴である. 本システムは唾液腺細胞診の特殊性に対応した報告様式として有用と考えられ, 今後国内でも広く普及することが期待される.