2024 年 63 巻 2 号 p. 97-99
背景:細胞診断が困難であった唾液腺分泌癌の 2 例を報告する.
症例:症例 1 は 40 歳代,男性の左耳下腺腫瘍で,泡沫細胞や粘液性物質がみられるなかにシート状や乳頭状の上皮性細胞集塊が認められた.上皮性細胞は好酸性の細胞質と類円形の核を伴っていた.症例 2 は 10 歳代,女性の右耳下腺腫瘍で,壊死性背景のなかに上皮性細胞が孤立性~疎結合性に認められた.採取されたこれらの細胞は変性壊死に陥った細胞と考えられ,顆粒状の細胞質を有し細胞質内には空胞が観察された.ギムザ染色にてこの空胞の異染性は確認されなかった.
結論:分泌癌の細胞像には多様性があるということを念頭に置く必要がある.