2025 年 64 巻 2 号 p. 81-87
背景:芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は,形質細胞様樹状細胞の前駆細胞に由来するまれな腫瘍である.BPDCN の鑑別疾患の 1 つとして,急性単球性白血病(AMoL)が挙げられる.今回われわれは BPDCN の 2 例の細胞像を検討し,AMoL の細胞像と比較検討したので報告する.
症例:症例 1.60 歳代,男性.全身性紅斑を認めた.症例 2.70 歳代,男性.右季肋部に皮下硬結を認めた.両症例で皮膚生検とリンパ節針生検を施行した.リンパ節針生検の捺印標本では,症例 1,2 ともに偽足様突起を有する腫瘍細胞を認めた.Giemsa 染色では細胞質は灰青色で,小空胞がみられたが,AMoL のような顆粒はみられなかった.両症例の皮膚生検による免疫染色で,CD4,CD56,CD123,TCL1,CD303 が陽性であり,BPDCN と診断した.
結論:BPDCN と AMoL は近縁疾患とされているが,両疾患の治療方針は異なる.迅速に作製できる細胞診標本で偽足様突起を有する腫瘍細胞を認め,Giemsa 染色で顆粒を欠く細胞所見を捉えて BPDCN を鑑別疾患として挙げ,マーカー検索により早期診断を行うことが重要と考えられた.