抄録
6例の骨巨細胞腫における腫瘍細胞核DNA量を, 顕微螢光測光法を用いて測定し, 核DNA量ヒストグラム, 分布パターンについて検討した.
1) 顕微螢光測光法では, 巨細胞の核DNA量測定を正確に行うことは, 困難であった.
2) stromal cellにおいては, 8C以上の高い核DNA量をもつ細胞や, 2Cと4Cの中間, 4Cと8Cの中間の核DNA量をもつ細胞が出現, 増加していた. ヒストグラム, 分布パターンは骨悪性腫瘍のそれと近似していた.
3) Grade分類間, 転移再発のあるなしでの核DNA量の相違はみられなかったが, Grade I のものではGrade II以上に比較し4Cより高い核DNA量をもつ細胞の出現の割合が低いようにみえた.
4) 核DNA量の点からみて, 骨巨細胞腫は良性悪性の中間病変あるいは潜在的premalignant lesionと考えることができ, この点からも顕微螢光測光法による核DNA量の測定は意義あるものと考えられる.