日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
クラミジア頸管炎の細胞像について
久保田 浩一山内 一弘河西 十九三武田 敏高見沢 裕吉橋爪 壮堀内 文男林 敏石川 明
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 22 巻 2 号 p. 235-242

詳細
抄録

細胞診にて, クラミジア感染に特徴的な細胞質内封入体 (Intracytoplasmic inclusion以下ICIと略す) を認め, 遠心培養法により, クラミジア陽性と診断された2症例について, その臨床所見, 細胞所見について検討した.
1) 臨床症状としては, 症例1で帯下, 外陰掻痒感を訴えたが, 症例2では無症状であった.
2) 宿主細胞としては扁平上皮化生細胞, 頸部円柱上皮細胞, 労基底型細胞を認めた.
3) 炎症性細胞の出現は必発ではなく, 宿主細胞には明らかな異型は認められなかった.
4) ICIにはそのライフサイクルの初期にみられる好酸性または好塩基性の“Coccoid bodies”から中期以後にみられる宿主細胞の細胞質をほとんど占拠するものまであり, 多彩な像を呈した.
5) ICI内部は強拡にて, 好紫青色に染色される円形または秤状の“Chromatoid particles”が認められ, クラミジアそのものと考えられた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top