1985 年 24 巻 3 号 p. 575-581
初診時, コルポ診にて疣贅状に発育した子宮頸部扁平上皮癌浸潤型と診断されたが, 同時に採取された細胞診では, 悪性細胞は認められなかった.初回の病理組織検査においては円形細胞の浸出を著明に認める慢性頸管炎と診断され, 第2回目の深く切除された組織の病理組織検査で, 高分化型扁平上皮癌と診断された極めてまれなverrucous carcinomaの1例を報告する.さらにverrucous carcinomaの細胞診所見の特徴について文献的考察を加え, 検討した.