日本臨床細胞学会雑誌
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子宮内膜clear cell carcinomaの1例
上坊 敏子植松 伊豆美蔵本 博行
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1985 年 24 巻 4 号 p. 715-720

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抄録
clear cell carcinomaについては, 卵巣原発のものは比較的多く報告されているものの, 子宮内膜原発のものはまれである.われわれは, この子宮内膜に発生したclear cell carcinomaを経験したので, 細胞像, 組織像ならびに臨床経過を報告する.
症例は75歳で, 主訴は不正出血である.内膜細胞診では集合性は著明であるが, 重積性を呈することは著しくなく, honey-comb状に出現する.ときに腺管様構造を有するものもみられる.個個の細胞では, 細胞質は豊富で明るく, PAS陽性顆粒も存在している.ときに空胞をもつものも認められる.核はほぼ円形ないし類円形で, 軽度の大小不同があり, クロマチンは微細顆粒状で, 核小体は1~2個みられる.組織所見では, 明るい細胞質を有する腫瘍細胞がsolid patternやtubularpatternを呈している.
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