日本臨床細胞学会雑誌
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結節性筋膜炎の穿刺吸引細胞像
各務 新二勝田 浩司高成 秀樹
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1988 年 27 巻 6 号 p. 1040-1044

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抄録

良性軟部腫瘍の中で組織学的に肉腫と類似した像を示す結節性筋膜炎を穿刺吸引材料で経験したので細胞学的所見の検討および文献的考察を加え報告する.
症例は54歳, 女性. 腫瘤は左大腿部に径1.5×1.5cm大で認められた. 本症例における細胞学的所見は以下のようであった. 1) 細胞は大小の束状集団および散在性に出現し, 背景には少数の炎症性細胞, 脂肪球および粘液様物質が混在していた. 2) 細胞および核の大小不同が強く, 細胞形は線維状, 紡錘状, 三角形および多辺形と多彩であり, 細胞の胞体は厚く染まっていた. 3) 核は円ないし楕円形で偏在しているものが多かった. 4) 核クロマチンは細顆粒状で均等に分布していた. 核小体は円ないし不整なものを1~4個認めた. 5) その他, 多核巨細胞, 核分裂像が所々にみられた.

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