日本臨床細胞学会雑誌
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肺の炎症性偽腫瘍の2例
小川 功赤荻 栄一村山 史雄石川 成美森田 理一郎塚田 博山部 克己船越 尚哉遠藤 俊輔神山 幸一
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1989 年 28 巻 6 号 p. 898-901

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抄録

肺の炎症性偽腫瘍の2例の細胞像を報告した. いずれも肺癌が疑われたが, 術前診断は確定できなかった. 切除標本の割面より採取した細胞像を組織像と対比して検討した.
切除標本割面から採取された細胞は, 線維化した胞巣内に種々の炎症性細胞が浸潤する組織像に一致して, 組織球, 形質細胞, リンパ球, 線維芽細胞などからなり, 特に多彩な組織球と形質細胞の出現が特徴的であった. 炎症性偽腫瘍に特異的な細胞は存在しないが, これらの細胞に注目することによって, 本症の推定が可能であると思われた.

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