日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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喀痰細胞診陽性症例の精検方法に関する一考察
CT・口腔耳鼻科的診察の有用性
森谷 浩史柳沼 康之渋谷 広子高橋 一弘黒沢 美枝子佐藤 美賀子吉田 晴美飯澤 祥江富田 健松川 明
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1993 年 32 巻 6 号 p. 853-859

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抄録
喀痰検診要精検例 (D, E判定) に対して, 気管支鏡検査と併せてCT, 口腔耳鼻科診察を行った.その結果, 肺癌30例と口腔-咽喉頭の癌8例を発見した.上気道の診断において, 口腔耳鼻科的診察を行うことは有効であった.発見肺癌30例のうち23例が胸部X線無所見であったが, うち12例がCTで所見を有していた.喀痰検診要精検症例に対する単純写真の意義は粗大病変のスクリーニング程度と認識しておくべきであり, CTの併用が必要と思われた.特に, CTは気管支鏡観察範囲より末梢の病変の診断に効果があった.以上のような一連の精検で局在不明であった中から経過観察中に3例の癌を発見した.初回検査で癌が証明されない場合は厳重な経過観察が必要と思われた
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