子宮頸管ポリープに上皮内癌および微小浸潤扁平上皮癌を認めた各症例を経験したので報告する. 症例1は61歳. 人間ドックでの子宮頸部スメア異常を主訴として, 当科を受診. 外来受診時のスメアはclass IVであり, 径5mmの頸管ポリープを切除したところ, 組織学的に微小浸潤扁平上皮癌と診断された. 症例2は37歳. 集団検診にて子宮頸部スメア異常を指摘され当科を紹介初診となった. 初診時のスメアはclass III aであった. 径6mmの頸管ポリープ表面に白色上皮を認め, ポリープ切除を施行したところ, 組織学的に上皮内癌と診断された. 子宮頸管ポリープでは悪性の頻度は小さいが, ときに癌を合併することがあり, 頸管ポリープを切除した場合には組織学的診断を必ず行うことが必要であるといえる.